最近の練習内容についてまとめてみる。何かのご参考になれば良いかと。

使用教材

最近の教材は専らコレ↓

この本の基本コンセプトは、そのタイトル通り提示されたリックを7つの切り口で分析するというもの。ジャズギターのアドリブをやりたいと思う人に対して、基本語彙となるリックの習得と、自身でリックを組み立てる際の着眼点を提供するというのが最終的な目的1リックにつき見開き2ページの構成で、具体的な分析と発展・アレンジの方法が解説されていて、読みやすい。

使い方は(How)?

この本を使って練習する上で、留意しているのは以下のような点。

  • リックを滑らかに弾けるようになるまで弾く(当然)
  • ターゲットノートのみ弾く→リック全体を弾くを繰り返して、骨格音と装飾音のメリハリを意識する
  • リック内、もしくはリックの使用音付近でのトライアド+7th(ド・ミ・ソ・シ)を探す
  • リックで使われている個々の音の音名・コード内での度数を明確にする

一点目は、この本の主目的通りアドリブで使えるボキャブラリーを増やそうという意図。ジャズ演奏においては理論的にフレーズを理解する事も大事たが、結局は何も考えずに弾ける、文字通りリックを体得してしまうという事が最も大事ではないかと思う。

二点目は、自分自身でリックを考える上で役立つ視点を養おうという事。個人的な理解(≒思い込み)では、ジャズのアドリブを構成するのは、大別して骨格音と装飾音だと考えている。背景にあるコードに対し、どのような音色の音を出したいかという意識が先ずあって、次いでそれら出したい音をどのように繋いでいくかと言うのがアドリブを取る上での基本意識だと思う。これら骨格音の選び方・繋ぎ方に加えて、譜割りの仕方がプレーヤーの個性とかセンスの良し悪しと呼ばれるんじゃ無かろうか。

三点目は、トライアドのポジションを正確に把握するため。実は以前この本↓を使ってひたすらトライアドを練習した事があって、その重要性というか利用価値に気づいた。コード音を、トライアドはコードとメロディを繋ぐような位置づけにの構成音でアドリブを組み立てる上で、トライアドの位置を知っておくと利用可能な音の目処が付けられる。スケールに近いが、スケールほど音数が多くないので、瞬間的な把握ができる。まだ使いこなせていないが、コードの上でアドリブをやる上で有用なツールになると思っている。

四点目は、自分の出している音が何なのか・背後のコードに対してどのような位置づけになるのかを明確に把握するために行う。三点目のトライアド把握に加え、C〜Bまで指板上の音名を#/bを含めて全て把握できれば、同一のフレーズを別の場所で弾いたり構成音の位置を変えて見たりと言った応用をきかせやすい。またb3thや11thという度数で捉えれば、各度数がコードに対してどのようなニュアンスになるのか(やたら明るい、暗い、奇妙な感じ、etc.)を明示的に理解しやすい。言わば、ニュアンスという曖昧なものに確定的な名前をつけるようなモノだと思っている。実は上記四点の内、最も大事なのはココな気がしている。

課題のリックが一通り滑らかに弾けるようになったら、最後にiReal Proのバッキングに併せて習得したリックを弾いてみる。コード譜を作る手間はかかるが、一度作ってしまえばテンポやキーを自在に変えられるので便利。

iReal Pro

iReal Pro

Technimo LLCposted withアプリーチ

何故そんな事やるの(Why)?

書き出すとなんだか七面倒臭い事をやっているように思えるが、目指す所はひとつ。自分が何をやっているかを明確に認識するため。「聴こえてくるコードに合わせて何となく…」とか「フィーリングで…」とかではなく、「バックで鳴っているのはG7だから、3rdのB音とb7thのF音を中心にフレーズを組み立てる。ツナギの音はBとF周辺のトライアドを使ってみよう。始まりがジャストだとダサくなるので、前小節4拍目のウラからクロマチックで入る。最後は、次小節のCM7の5thであるG音に落ち着ける」くらいの具体性を伴った方針に沿って演奏をする事

ロクにリックのひとつももできない状態で言うのもナンだが、アタシみたいな音楽的凡人ないし凡人未満が少しでもギターを上手くなろうと思ったら、先ず何を自分がやろうとしているのか・何をやれば正しいと言えるのかを言葉で理解する必要があると思う。今やっている事を言葉によって明確にする事で、ハズれた理由・ちょっとイケてた理由が明確になって、次に進むべき方向が明確になると思う。何に関しても言える事だが、言語化とは曖昧なモノに質量を与え、それを礎として一つ一つ作って積んでいくような作業なのだと思う。

そんなこんなで粛々と練習をこなす日々。幸か不幸か、最近テレワークを強いられているので時間は確保できる。なので、上記四点を踏まえつつ継続してみようと思う。自由にアドリブできるのはいつの日か。自由になるにはかくにも不自由な過程を経なければいけないのである。日々、鍛錬。

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